以前、国際協力のアクターの話をしました
今回はその続きです
国際協力をしたいけどどんな会社で働けば良いか分からない人へ 業界6団体の紹介
国際機関や政府機関は入るの難しそうだから
開発コンサルか民間企業を目指そうかな・・・
今回は開発コンサルタントと民間企業
それぞれのメリット・デメリットをお伝えするよ!
まずはODAの流れを知っておこう
開発コンサルタント・民間企業の特徴を知る前に
まずはODAプロジェクトの受注から実施までの流れを勉強しよう
全体の流れが分からないと、開発コンサルタントや民間企業が
どのように関わっているのかイメージしづらいと思います
次の図を見てください
これはODAプロジェクトの受注〜実施までのフローです
①まず開発コンサルタントやJICAが相手国の現地に行って
プロジェクトの発掘を行います
②発掘したプロジェクトを相手国政府から日本政府へ
プロジェクト要請を出します
③相手国からの要請を外務省にて審査し援助の可否を決めます
④採用されると相手国と契約を締結します
⑤プロジェクトを実施する業者を選定します
業者選定は競争入札と呼ばれ、外務省・JICAが案件を公示し
複数の業者が案件に応募します
最終的に選定された会社がプロジェクトを執行する権利を得ます
競争入札の実務は開発コンサルタントや入札代行会社が行うことが多いです
しかし開発コンサルタントは製造メーカではないので
例えば「橋を作る」プロジェクトがあったとして
開発コンサルタントが実際に橋を作るわけではありません
実際の工事はゼネコンなど専門業者が行います
この場合、開発コンサルタントとゼネコンが合同で入札する場合や
開発コンサルタント単体でプロジェクト受注し、工事をゼネコンへ
発注するといった方法が取られます
この辺りは色々なパターンがあり奥が深いので
開発コンサルタントの腕の見せ所です
開発コンサルタントを通さずにゼネコン単体で入札する場合もあります
開発コンサルタントは会社によって得意分野がある
開発コンサルタントの仕事は
- 案件発掘・事前調査
- 公募案件への入札・専門業者への発注
- 報告書の作成
などがあります
国際協力の分野は様々ですので
各会社ごとに得意分野・不得意分野があります
例えば、建設関連だったらA社
保健衛生分野だったらB社
のような感じです
なので開発コンサルタントで働く場合は
自分のやりたい分野に強い会社はどこか?を調べておきましょう
さらに調査案件に強い会社や入札に関するノウハウが豊富な会社
など各プロセス毎にも得意・不得意があります
事前にホームページの受注実績などをみてどのプロセスの実績が
多いか確認しておきましょう
民間企業はODAの請負いか独自のビジネスに分けることができる
民間企業は
・単独または現地のビジネスパートナーと一緒に行なっている
・ODAプロジェクトの請負いを行なっている
の2パターンに分類されます
独自ビジネスの代表は総合商社
1つは、ODAの枠組みではなく、独自でビジネスを行なっているパターンです
代表的なのは商社です
商社には総合商社と専門商社がありますが
総合商社の方がプロジェクトの発掘から実施まで一貫して行なっている
割合が高いです
ODAのルールに縛られませんので比較的自由なビジネスができます
ただし資金や人材ネットワークなどビジネスに必要な資本は
自前調達しなければならないので結果として総合商社が有利になるのでしょう
ただし、商社にも得意な商材・得意な地域があります
自分のやりたいことにあった会社を選びましょう
また、少数ですが商社以外でも独自で頑張っている会社はあります
例えば、石鹸・消毒液の製造メーカである サラヤ などがあります
このような会社は海外事業部のように専門の部署がありますので
海外案件に専念することができますが、民間の会社ですので利益が
出なければ撤退する可能性があることは頭に入れておくべきでしょう
ODA関係はほとんどがプロジェクトの請け負い
次にODAプロジェクトに関わる民間企業ですが
これはプロジェクトの実施に必要な工事・サービスを提供する会社です
製造メーカやゼネコン、ソフトウェア製作会社などプロジェクトの内容に
よりどの会社が選ばれるかは変わってきます
通常、入札の段階で開発コンサルタントや入札代行会社から該当メーカへ
仕様書が渡されます
仕様書の内容に沿って製品やサービスを設計します
問題は、プロジェクトの内容によって指名が来る・来ないがありますので
コンスタントに受注できる訳ではありません
そのため、本業ではなくサイドビジナスと位置付けている会社が多いような
気がします
ちなみにモモンガの会社は某機械部品メーカでして
現地工事に必要な部品を提供しています
近年はコロナウィルスの影響でここ受注案件がなく
ODAだけのビジネスでは危うく倒産するような状況でした
通常は複数あるビジネスのうちの一つであることが多いので
ODA案件がない時は他の業務を担当することもあります
案件がない時は肩身の狭い思いをすることになるかもしれません
まとめ
- 開発コンサルタント:プロジェクトの調査・進捗管理・報告業務が主
専門性・語学力・交渉力が求められる
コーディネータとして数ヶ月〜1年の海外滞在がある - 民間企業(独自ビジネス):ODAの枠組み外、自由にできる
専門部署があり案件発掘から実際の施工まで担当できる
利益が出ないと撤退する可能性あり - 民間企業(ODAビジネス):ODAプロジェクトの施工が主、案件形成はしない
開発コンサルタントと同行して現地へ入る場合が多い
受注にムラがあり、閑散期には別の仕事をさせられることもある
それぞれ良い悪いがありますので、自分が何をしたいのかをよく考えてから
自分に合ったセクターを選びましょう!
例えばモモンガは、英語もそんなに上手じゃないし、長期の海外出張も嫌でした〜
でも専門知識はあったし、海外案件以外の仕事をすることに苦はなかったので
民間企業(ODAビジネス)セクターを選択しました
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